ロードバイクに乗っていると、下ハンを握る機会は多くありますよね。
その度に「下ハンを握ると、ブレーキに指が届かないんだよなー」と感じてしまい、可能な限りブラケットを持って乗っていました。
私の指の長さは標準的だと思いますが、それでもしっかりと指をかけることができないのです。
みなさんも一度は、「下ハンとブレーキまでが、もう少し近ければ・・・」と、感じたことがあるのではないでしょうか?
実はこのリーチ(=ブレーキの握り幅)は、ボルト一本だけで簡単に調整することが可能です。
ということで、思いのほか簡単に調整出来てしまったので、纏めておきたいと思います。
対象は「STIレバー」ということで、SHIMANOに限ります。
SRAMや寒波さんはまた異なった感じだと思いますのでご注意ください。
本記事はSHIMANOから公表されているディーラーマニュアルに記載されている内容を元に作成しています。
ディーラーマニュアルは、自転車安全整備士/自転車技士等の専門知識を有している方を対象としたマニュアルです。
この記事の内容を元にご自身でメンテナンスする際には、自己責任でお願いいたします。
下ハンを持つとブレーキが遠い?
冒頭のとおりで、下ハンを持つとブレーキがとても遠く感じる方は多いのではないでしょうか。
特に、男性と比べて、女性は手も小さい方が多いと思いますので、より一層遠く感じるのではないかと思います。
そもそも完成車を購入したときに「ブレーキの握り幅はどうですか?握りやすい様に狭くしますか?」とか、「アジャスト機能があるので、ブレーキまで届きにくかったら持ってきてください」なんて言われた覚えは全くありません。
知らなかったのは私だけかも?と思ったのですが、Twitterでつぶやいたところ、そこそこ反応がありました。
私の指はそんなに長くない方だと思うんだけど、そういう人が下ハンを持つと、ブレーキまでが非常に遠く感じて、握りづらく感じるんですよね。
とはいえ、急坂のダウンヒルは持たなきゃダメだし。。
と考えていたのだけど、ブラケットのリーチアジャストボルトを調整してみたらいい感じになった。 pic.twitter.com/YpKPGL0c0s
— とっくん・∀・ (@sstkn) 2017年3月23日
つまり、「ブレーキの握り幅は調整することができる」という事実をそもそも知らないユーザが多いのだと思います。
調整可能なSTIレバーと調整方法
調整可能なSTIレバーは、下記の通り。
Tiagra以上のグレードに限定されている様です。
- ST-9001/ST-9000(DURA-ACE)
- ST-6800(ULTEGRA)
- ST-5800(105)
- ST-4700/ST-4703(Tiagra)
私が乗っているSCULTURA700のコンポは105系で全統一されているため、対象のSTIレバーに含まれます。
また、グレードによって、ネジの調整方法が異なるので、注意が必要です。
グレード | 3㎜ (-)ドライバー |
2㎜ アーレンキー |
---|---|---|
DURA-ACE | ○ | × |
ULTEGRA | ○ | × |
105 | × | ○ |
Tiagra | × | ○ |
上位グレードであるデュラ、アルテは、「3mmのマイナスドライバー」で調整する事が可能。
私が使用している105(ST-5800)以下のグレードは、「2㎜のアーレンキー」で調整する事が可能です。
それぞれで必要な工具が異なるので、ご自身のSTIレバーに合うものをチョイスしてくださいね。
必要な工具を用意したら、実際の作業です!
リーチを調整
まずは、ブラケットカバー(STIレバーフード)の先端をめくります。
むき出しにした箇所に穴が開いていて、中に調整するためのネジが確認できます。
このネジを左右に回すことで、リーチが調整できる仕組みです。
時計回りに回す(絞め込む)と握り幅が狭く、反時計回りに回す(緩める)と握り幅が広くなります。
今回は握り幅を狭くしたいので、時計回りに絞めるのが正解です。
調整前はこのくらい。
そして調整後です。
若干写真の撮り方が悪く見づらいですが、調整前と比べ、指が届く範囲が違っています。
握ってみると、数センチとはいえその差は歴然。
実際に下ハンを握って走ってみましたが、とてもブレーキが握りやすくなりました!
その後、ダウンヒル時にも試しましたが、特に問題なさそうです。
今後続けてみて、ダメそうだったら、また報告したいと思いますw
さいごに
あまり認知されていない、ブレーキの握りしろ調整方法。
こういった「知ってて得する」系の話がまだ他にもあるかもしれませんね。
(そんな内容があれば、ぜひ教えてくださいw)
そして、上記の調整後はブレーキが効くかどうかを必ずチェックしてくださいね!
急こう配を下る時や、荒サイの強風(荒川峠w)を走る時など、下ハン握って走りたいタイミングが多々あると思います。
握ってみて「遠いなぁ」と思ったら、ぜひご自身で調整するか、馴染みのショップにもっていってみてください。
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